デューデリは自治体がやるべき!(第三回放送)
音声はコチラ- 大串
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今回も前回に引き続き、「地方創生の奇跡!!岡山県の西粟倉村のバイオマスを見に行ってきた!」と題して、お送りします!
- 徳田
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改めて、ゲストは、今週も堀潤さんです。よろしくお願い致します。
- 堀
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よろしくお願い致します。
「なによんなら~!」一同:??
- 堀
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岡山弁です。「おめ~、なによんなら~!」
- 徳田
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何事かと思いました!
一同:笑
- 堀
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岡山弁を勉強させてもらいましたよ~。初任地、岡山だったんでね。
- 徳田
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そうですよね~。結構、言葉が違いますね。
- 堀
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「なにしよん?、おめーなによんなら?」
岡山に育てていただきました!
- 徳田
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それで、みなさんの心をグっと掴んでたんですね?
- 堀
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笑。そう聞くと、ちょっといやらしい感じになっちゃうじゃん。
一同:笑
- 徳田
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さて、今週も、西粟倉村。紐解いていきたいと思います。
今週も、上山さんにお話を伺っております。聞いて下さい。
デューデリの大切さ
- 上山
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よくお話しすることなんですが、
西粟倉村は、国土調査が終わっていて、森林のデータを、可能な限り取ってあるので、
ある意味、デューデリが出来ているんですよ。
- 大串
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あーなるほど!
- 上山
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デューデリが出来ていると、事業費も計画的に出せるので、
西粟倉村で、若い事業家が事業をしようとした時に、僕らと話すと、
向こう20年間で、どれくらいの事業費が出る…っていうのが分かるので、投資がしやすいんです。多くの自治体は、山はあるけど、デューデリをやっていないから、
新規の参入が難しいんです。
- 大串
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すごく分かります。
僕も事業をやっていて、おっしゃってた山の価値からそろばんを弾くんですが、
その調査から、自分たちで、始めなきゃいけないとなると
調査して、ダメだったら損するだけなんです。
1000万を調査費でかけて、ダメだったら、それで終わっちゃうんです。
- 上山
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そう。やっぱりね、デューデリは自治体がやるべきだと思います。
民間事業者さんに、デューデリをやれっていうのは、無理です。
資本の価値をどうあげるか?となった時に、デューデリは大事で、
それは自治体の責務なんだ!…として、やった方が…
やった情報を公開した方が、みんな参入しやすい。
西粟倉村も森林信託事業を
三井住友信託銀行さんと、やるんですが、
それも、デューデリ情報がないと、
事業採算性が出ないので、これは、信託に適する山なのか、そうじゃないのか…が出せないから、事業が進まない。
新しいビジネスを生むために、新しい人たちが参入するためのベースの部分なんです。よく、自治体の方には、この話をします。
ウチくらいの規模だと、デューデリがしやすかった…というのは否めないですが…
- 大串
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いやー大事ですね。
よくある話で、
山の権利者さんが、相続が起きるたびに、ドンドン分散しちゃいますよね。
- 上山
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森林信託事業のもう一つのメリットは、権利の分散を防ぐんです。
山の権利者が、権利を委託すると、一旦、所有権は、信託に移りますし、
信託期間が満了しても、受益権者のところに、ストレートに登記されるので、分かりやすい。
例えば、相続の手間がイヤだから、登記しないでいたりとか…そういう権利不明の要因を少しでも防がないと、
最終的に、誰の山か、分からなくなってしまうんです。
- 大串
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これ、ホントに大変で、こうなったら事業参入なんて出来ないんです。
- 上山
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西粟倉でさえ、4割は、外の方が所有者なんですよ。
ウチはまだ、追跡できてますが、
コレから加速度的に、相続がおきていくので、
行政が、ずっと、権利を追い続けるのは不可能に近いので、
権利に関しては、民間の信託会社にやってもらい、
整えた権利、株式会社百森に、経営実施権を持ってやってもらい、
村に利用権が残る。
こういう仕組みを色んなやり方で作ることが大事ですね。
餅は餅屋です!
- 堀
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これだけ、村役場にいて、デューデリデューデリって言う役人の方は少ないと思いますよ。
- 大串
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いないですよねー!
- 徳田
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ちょっとこのへんの解説を、大串さんにお願いしたいです。
そもそも、デューデリジェンスってどんな意味なんですか?
- 大串
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デューデリというのは、
ある資産について、どういう価値があるのか調査する作業のことを指します。
あるモノに投資する際に、意思決定や判断する際の情報や材料収集のために、努力して行なう当然の義務活動として、
投資の世界では、位置付けられている行為を示す言葉です。
- 徳田
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ありがとうございます。
信託についても、少し解説していただいてよろしいですか?
- 大串
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森林を信託銀行に信託するんですね。そうすると、相続が重なって、色んな人に交渉しなきゃいけない行為を省くことが出来るんです。
まあ、この話をしている時、岡山で話しているんじゃないような、東京の投資銀行で話しているかのような錯覚を受けました!
- 堀
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まるで、大手町で話しを聞いている感じしましたよね!!!
実をいうと、西粟倉村!
僕が最近たずねた大きな理由は、資金調達の方法の新しい仕組みについての取材だったんですけど…仮想通貨を使って資金調達を出来ないか?ということについて、
準備&検討に入ってたという段階で…独自のコインを作って、資金調達出来ないか??という…西粟倉村では、必ず、資金調達や投資の話が、必ず出てくるのが、特徴だなと思います。
どうしても、地方って、地方交付税とかがあるので、
中央から、税金を再分配で、それをもらってどうするか?と考える。(癖がある)エネルギーも自前、資金も自前。
西粟倉が、大切にしている、そこらへんにポイントがあるんじゃないかな?って思いますよね。
- 大串
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たぶん、普通の自治体と同じことをやっていたら、西粟倉村は勝てないから、
どうしたら、勝てるか!ということを、しっかり考えた結果。こうなっているんだと思います。
- 堀
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すごい!すごい話を聞いてるんですよ!
ラジオの前のみなさん!
西粟倉に行ってみたくなったんじゃないですか??
温泉もあるし、癒されに行ってみてください。
- 徳田
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ぜひ、行ってみてもらいたいですよねー。
- 大串
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でも、西粟倉村に入ると雰囲気が違いますよね。
- 堀
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そうなんですよね。
平成の大合併は、評価が分かれるところがありまして、
やはり、地域の特性を殺してしまった側面があるんじゃないか?という…(平成の大合併に乗らなかった)西粟倉に入った途端に、
パーっと明るくなるような。活力を感じますよね。
実際、出生率も、合併したかつての東粟倉と、西粟倉を比べると、
西粟倉が、伸ばしてきましたから。
- 徳田
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すごいですよね!
最後に、上山さんに、
西粟倉村の未来はどうなっていると思いますか?…という質問をぶつけてみました。
西粟倉村の未来について
- 上山
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大きく言うと、200社2000人の地域になったらいいと思ってます。
200社ベンチャーが出来て、1社に10人雇用が生まれたら2000人になるよねっていう話なんですけど…自治体にとって、人口の維持ってとても大事な話で、
多くの自治体は、人口減少を止めるっていう話になっちゃうんですけど、ウチは、200社2000人というイメージを持っているので、
いまは、1465人という人口が、逆に増える…というイメージで、やりたいと思っています。そのために、具体的に、村が立ち上げたのは、
「生きるを楽しむ」という「百年の森構想」の次に立ち上げたプロジェクトでコレは、どういうことかと言うと
「百年の森構想」を中心とするプロジェクトで、10年かけて「地域の自然資本」を立て直したことで、
若い人たちや新しい人たちが入ってきて…その時に、
介護だとか、教育だとか、人口が減った時に失われてしまった「地域の社会資本」を戻すことが重要となり、
その作業をするために立ち上げた旗印です。
「自然資本」の上にある「社会資本」を、もう10年かけて積み上げ直していこうと。で、当然、それに伴った「経済資本」も積み上げる。
この「自然資本」が出来た上に「社会資本」を積み上げて、その上に「経済資本」を持ってくることによって、
2058年(当時から50年)の「上質な田舎」を作っていく…というのが、未来の絵図です。中学生を中心にしたキャリア教育みたいなものもやりたくて、
アイデンティティというのが非常に重要なんです。
子供達が、西粟倉村に対して、自信を持ったり、アイデンティティを持つ。そんな村になっていたいと思います。
- 徳田
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いかがでしたか?
- 堀
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素晴らしい!
アイデンティティって、すごく大切なんですよね。
- 堀
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よく、作家の田中康夫さんが、例に出されていましたが、
フランスのカマンベール村のこと。
カマンベールといったら?
- 徳田
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チーズですよね
- 堀
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そう!カマンベール村、発祥なんです。
でも、この村の人口は200人なんですって。一同:驚き
- 堀
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カマンベールのことは、世界中が知っている。
西粟倉村といったら、百年の森だよね!バイオマスだよね!
いやいや人だよね!
自分たちで、選択した人たちだよね!
っていう
こういうことが、すごく大事で、
うまく行く象徴だと思います。
- 大串
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わたしは西粟倉の出身なんです。って言ったときに、
ああーあの!って言われること!一同:そうそれ!!
- 堀
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でも、今、クリエイターのみなさんの間では、
すでにそうなっていたりしますから、「ああ、西粟倉ね!」ってなってきてますから、
とても楽しみですよね♪
- 徳田
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楽しみですね!
堀潤さんが思う日本の未来について
- 大串
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最後に、堀潤さんにも、質問をしてみます。
日本の未来は、どうなっていますか?または、どうなってほしいと思いますか?
- 堀
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…そうじゃなー
- 徳田
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そうじゃなーって笑
- 堀
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そうじゃなあ…
一つには、
西粟倉に学ぶと、
自分の手のひらで作るってことでしょう。
日本の未来は、ひとりひとりが、自分の手のひらで作る…っていう社会になっていたら
日本は再生していると思います。
日本は、今まで、世界一流の消費者だとされてきましたが、
僕らは、「買う」…が先行しちゃって…「買う」のは得意なんですよ!
でも、やっぱり「創る」のが得意に、やっぱりならないと!
西粟倉は、人口減少、少子高齢化、産業の先行きが見えない中
「自分たちで創る」という選択をしたのが、
あの「平成の大合併に私たちは乗りません」と言った選択だったと思うので、原点に立ち返って、「創る」ということ、
そういう感覚を、みんなで共有できたら、日本は必ず良くなると思う。
- 大串
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自分が創る!かあー!
- 徳田
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自分で創る!そして自分で選ぶ!ということですかね!
- 堀
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そう!選ばされてるからねーいま!
いろんな情報で!
- 大串
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「僕たちの街づくり2.0R」
今回は「地方創生の奇跡!!岡山県の西粟倉村のバイオマスを見に行ってきた!」と題して
ゲストに、ジャーナリストの堀潤さんをお迎え、お送りいたしました。ありがとうございました。