モノと街づくり(第一回放送)
音声はコチラ- 大串
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今回もまたスタジオを飛び出し、なんと皇居に来ています。
平日の朝にも関わらず、目の前には皇居ランナーがちらほら。
今回は「令和を記念して皇居マラソンに挑戦してみた」と題してお送りします。
- 徳田
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そしてゲストには、毎日テレビで見ない日はない売れっ子アスリート、元サッカー女子日本代表の丸山桂里奈さんをお迎えしています。
丸山さん、よろしくお願いいたします。
- 丸山
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よろしくお願いいたします!
丸山さん、久々の皇居ランに挑戦!
- 大串
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「令和元年を記念して皇居を走ろう!」の回です。
この秋はワールドカップ、来年はオリンピックと、日本中で盛り上がりを見せていますね。
即位の礼のパレードも行われたこの令和元年というスタートイヤーに、皇居をみんなで走りたいと思います!
- 丸山
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皇居、いいですね!
私はいつも車で通る道ではあるのですが、なかなか走る機会はなくて。
- 徳田
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走ったことはないんですか?
- 丸山
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実は、1度だけしかないんですよね。
- 徳田
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ちなみに一周何kmとかご存知だったりしますか?
- 丸山
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ほぼ知らないです(笑)
ほぼ知らないけれど、そのときはきちんと一周走りました。
あれ、ペースが早い人についていくと、なかなか悲惨なことになりませんか?
- 徳田
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そうですね(笑)
正解は5kmということでして。
- 丸山
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え、5kmなんだ!
結構思っていたよりは長いですね。
- 大串
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そうなんです、いつも走ると自分は30分くらいかかっちゃうんですが。
- 丸山
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でもちょうど良いですよね、ランニングには。
緑もあって景色も良いですしね。
- 大串
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あと道路の信号がないから走りやすいんですよね。
- 丸山
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なるほど。道路の信号は道の左右にはあっても、走る進行上にはないからノンストップで走れるんだ。それはいいですね!
- 徳田
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順調に走れる道ということで、今日もこちらを走っていくというわけですね、大串さん!
- 大串
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そうですね!
丸山さんはちなみに最近走ったのはいつですか?
- 丸山
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最近走ったのは……え、いつだろう?
ジョギングは本当にないです。半年くらいないですね。
ランニングもないです。プライベートでも本当に走ってないです!(笑)
- 大串
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じゃあ久しぶりに今から走りましょう!
令和記念、皇居マラソンに挑戦してみよう!
2011年震災時に日本一丸となって戦った、元なでしこジャパン丸山さんの当時の思い
- 大串
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というわけで、皇居を一周してスタジオに帰ってきました!
ランニングの風景は番組のHPでチェックできますので、是非ご覧ください。
- 徳田
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改めて今日のゲストを紹介いたします。
元なでしこジャパンで、その後はタレントとしてバラエティ番組などでも大活躍の丸山桂里奈さんです!
よろしくお願いします。
- 丸山
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よろしくお願いします!
- 大串
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今はラグビーワールドカップが盛り上がっていますけれど、どうですか?
アスリートとしての血は騒ぎますか?
- 丸山
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もう、すごい盛り上がりですよね。
朝起きても寝る前もずっと騒ぎっぱなしで、なんだかラグビーの選手と一緒に戦っている気分です。
普通に歩けばいいところを、すごく早く歩いちゃったりします(笑)
- 徳田
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すごい引っ張られてますね(笑)
でも本当に元気になりますよね。日本全体がみんなで応援している感じがあって。
- 丸山
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本当にそうですよね。ワールドカップが日本で開催することって、相当すごいことだと思うんですよ。
私もワールドカップのときは他の国まで行ったわけですが、その盛り上がりはすごくて、自分の国でやりたいなという気持ちになりました。
- 大串
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そうなんですね。ワールドカップでドイツに行かれていたときはどうでしたか?
- 丸山
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やはり開催国の応援の声は強くて、みなさんドイツの応援をしているから、日本の応援の方がとても少ないんです。
アウェイな感じはどうしてもありました。日本だとみなさん味方なので、後押しが強く背中から伝わってくる感じがします。
- 大串
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声援の違いはやはり大きいんですか?
- 丸山
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全然違いますよ!
ホームだと、本当に多くの、直接の応援の声が選手に届くんですよ。
私も結構いろいろな国に行きましたが、アウェイだとなかなか……
もちろん、その中でも応援の声は聞こえてくるんですが、どうしても届きにくかったり、国によってもそこは差があったり。
だから、羨ましい!私も日本でやりたかったです!(笑)
- 大串
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丸山さんも女子ワールドカップ優勝メンバーということで、当時はいろいろ思うことがあったと思うんですが、今振り返るといかがですか?
- 丸山
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2011年には東北の大震災があったりと、日本が元気がなかった中、開催された女子ワールドカップだったので。
それこそ福島の方たちのために、というような気持ちで戦っていましたね。
実は私にとって福島という街は、大学卒業して初めて寮生活をした場所であり、社会人はじめての街でもあるんです。第二の故郷のような街で。
あのときは自分たちだけが戦っているというよりは、福島の人たちももちろん、東北の人たちも一緒に戦っていて、日本全体がひとつになって応援してくれているように感じていました。
自分たちが勝って嬉しいというだけではなくて、日本が一丸となって、みんなで獲得した優勝という気持ちでしたね。
- 大串
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そのような状況の中、ワールドカップで戦っているというところを見て、こちらとしても本当に頑張って欲しいと応援に力が入ってましたね。
やはり日の丸を背負うっていう気持ちもあったんでしょうか?
- 徳田
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きっとプレッシャーのような部分もありますよね。
- 丸山
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そうですね、もちろん国の代表として行ってますし、そこには強い気持ちがありました。
ただ私たちはピッチの中で、自分たちが一生懸命全力で戦うというところを、みんなが後押ししてくれてるという思いがあるので。
プレッシャーもあるけれども、それ以上に応援を受けてとても心強い気持ちがありましたね。
- 徳田
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みんなで一つになるという強い絆というか……
「がんばろう」という言葉の重みがすごかったですよね。
- 丸山
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そうですね。あのとき、みんなで「がんばろう」と一丸となっている裏側で、逆にサッカーをやっていていいのか?っていう葛藤も実はあったんですよ。
- 徳田
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え、そうなんですか?
- 大串
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私たちは元気づけられていたので、頑張って欲しいなと思っていましたけどね。
- 丸山
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私はそのとき千葉のチームだったんですが、千葉も液状化してグラウンドが使えなかったりしたので……。
出身が大田区大森なんですが、地元の街も停電で真っ暗になっていて、実家からどこにも行くことができないという日も続いたり。
実家の近くでずっとトレーニングしながらも、こんな状況なのに自分はサッカーをしてていのか、でもワールドカップもあるし……と悩むこともありました。
でも、やはりサッカーで活躍して元気を伝えるということが、今の状況において一番自分ができること、するべきことなのかなと、いろいろ考えながら大森の街を走っていましたね。
作った人への思いを巡らせられる街が理想。"当たり前にあるものへの感謝を忘れない"丸山さんのモットー
- 大串
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「東京電力マリーゼ」時代の福島、地元の千葉、あとは大阪にもいらしたんでしたっけ?
- 丸山
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そうですね、私結構いろいろなところに行ってるんですよ。
最初は福島にいて、その後はフィラデルフィア、千葉、大阪と4カ所ですかね。
私の場合は国から違う場所でしたので、その場所によっての違いは大きくありました。
日本はどこでも、それなりに治安はいいじゃないですか。
アメリカのフィラデルフィアだと、練習している近くであったとしても「治安が悪いから歩かないでください」なんてこともあって、すぐに帰らないといけなかったり。
色々と、街によって違うことがあるなと思いますよね。
- 大串
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街づくりって人が作るものなので、どういう街にしようか?というところで街が変わっていくと思うので。
- 丸山
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すごい難しい話。街ってどんな人間が作るんだろう?
- 大串
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難しくないですよ!
そこに住んでいる人たちが街を変えていくんだと思います。
- 丸山
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そっか、ゴミ捨てないようにしようとか?
あまり難しく考えずにそういう話もありますね。
地元の人たちがお祭りをやろうとか、地域を盛り上げようとか。
- 大串
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先進的な街にしていきたいな、とかね。
街に住んでいる人の考えがまずはあって、そこから街が作られていくんだと思いますね。
丸山さんとしては、例えば自分が市長だったら、どんな街にしたいですか?
自分だったらこういう街なら住みたいな、とか。
- 丸山
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私は街にあるモノと一緒に生きているみたいな街がいいです。
アスファルトだったりガードレールだったり柱だったり木々だったり。
普段当たり前のように見ているモノを、なんでも当たり前と思わないというのがモットーなんです。
アスファルトも当たり前にあるとは思ってなくて、アスファルトがなかったら歩けないじゃないですか。
ここにある椅子だって、当たり前にあるから座るけれど、じゃあこの椅子は誰が一番最初に作ったんだろう?とか。
どんなモノにもその先に作った人たちが必ずいるということに思いを巡らせられるような……あ、作った人の銅像がいっぱい立っている街がいいです(笑)
- 大串
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銅像だらけになっちゃう(笑)
- 丸山
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銅像がいっぱい立っている街だと観光地にもなるし(笑)
このアスファルトは田中さんが作ったんだ?とか、一つ一つの作られたものの歴史や重みを感じられるような街がいいなあなんて。
- 大串
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でもアメリカの街って、ストリートに全部人の名前がついてますよね。
- 丸山
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あ!そういうことと近いかもしれないですね。
- 徳田
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それこそ街づくりですね。誰が作ったかわかるっていう。
- 大串
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ちなみに徳田さんはどんな街づくりをしたいですか?
- 徳田
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なんだろう?私は自由なのがいいですね。
ルールとかもなくて……ルールがないのはダメか(笑)
- 丸山
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あまりにも自由すぎると、困った人がいっぱい出てきてダメになっちゃいますよ(笑)
- 徳田
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じゃあ丸山さんが市長の、銅像がいっぱい立っている街に行きます!入れてください(笑)
- 丸山
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一番に入れますよ(笑)
- 大串
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じゃあ丸山さんは市長に立候補しないといけないですね(笑)
- 丸山
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こんな話でいいんでしたっけ(笑)
ちなみに大串さんはどんな街にしたいですか?
- 大串
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私だったら、子どもがのびのび育つ、安心して子育てができる街。
なおかつ、いろんな国籍の人が集まってきたり、インターナショナルで切磋琢磨する街にしたいですね。
- 丸山
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それは視野がとても広いですね。
コミュニケーションを取るにも、いろいろな国籍の方がいると、各国の言葉が学べるし。
逆に日本語を教えてあげてのコミュニケーション取ることもできるし、まさに切磋琢磨。楽しそうです。
- 大串
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アスリートの方でも、みんな留学でアメリカに行っちゃったりするじゃないですか。
なんで日本に留学してくれないのかな?って。
- 丸山
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そうですね、逆に強いアメリカの選手が日本に留学できるような街があれば、来てくれるかもしれないってことですよね。
あ、それはめちゃくちゃいい。アスリート目線でもいいです。
- 徳田
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あれ、大串さんが一番市長に近いところにいるんじゃないですか!?
- 丸山
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見るからに顔も市長っぽいですもん!
- 大串
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市長っぽい顔!?(笑)じゃあ頑張ります(笑)
きっかけは何でもいい。まずは何でも始めてみる、一歩踏み出す勇気を持つ!
- 徳田
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サッカーをしている子どもたちの中には、丸山さんのようなサッカー選手に憧れて頑張っている子もたくさんいると思います。
そういう子どもたちに何か思っていることや伝えたいことはありますか?
- 丸山
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私は小学校6年生のときにサッカーを始めたんですが、そのときは周りが男の子だけで、男の子の中に混じって一人でやっていました。
なでしこジャパンのメンバーにも聞いてみたら、みんな同じような状況ではあったんですが、私よりは断然始める時期が早かったんです。
幼稚園、小学校低学年には始めているという人がほとんどで、私の小6からというのは相当遅い方なんです。それでも、ワールドカップやオリンピックに行きたい、日本代表に入りたいという夢は、始めた時期が早いか遅いかは関係ないと思います。
もっと言えば、始めるきっかけだってなんでもいいと思うんです。
私がサッカーを始めたきっかけは、好きな男の子に誘われてだったので「そんなきっかけあるんですね」なんて言われてしまうこともあるんですが……
でもきっかけはなんでもよいから、まずは始めることが大事で。
「始めるのが遅いから」という理由で始めないこともよくあるみたいなので、そういうのはもったいないなと思っているんです。
何でもまずはやってみるということが一番大事なことかなと思います。
- 徳田
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踏み出すのに勇気がいる、結局行動に起こせないってことって結構ありそうですよね。
- 丸山
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でも意外となんとかなりませんか?
結構なんとかなると思って、始める勇気が大事かなと思います。
失敗してもいいから、何でも一回は挑戦してみるという。私自身、サッカーだけしかやってきていないので、同じくらいの年齢の、違う仕事の方と比べると、何も物事を知らないと思うんです。
一応社会人として社会に出てはいましたが、サッカーだけに力を注いできたので。
なので、今がいろいろな意味で新鮮なんです。例えば、バラエティとかでワニを捕まえますとか、高いところから飛び込みますとか。
- 徳田
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それはそれでなかなかない経験ですよ!(笑)
- 丸山
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なんだろう、例えが……(笑)
私はワニも怖いし、高所恐怖症なんですけど、それでも出来ないかどうかはやってみないとわからない。
実際、やってみたら両方できたんですよ。躊躇することはもちろんあると思うんですが、サッカーに限らず、何でも一度はチャレンジしてみてほしいです。
- 大串
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思い切ってやってみようということですね。
女性アスリートの活躍はだんだん目立ってきたかと思うんですが、まだまだ男性と比べると、プロスポーツという面ではメジャーじゃないと思われることもあるかと思います。
そのあたりはどうでしょうか?
- 丸山
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そうですね、特に私の周りでは、サッカーで優勝してからも、メンバー全員がプロになったわけではなくて、ほとんどの方が当たり前のようにみんな働いている。
その合間に練習をしている、という感じだったので、環境面からいってもまだまだ大変だと思いますよ。男性の場合はプロとして活躍ということが多いですから。
でも、選手としての立場から私が思うのは、やはり強いチームでないと、みなさん見ないですよね。
サッカーもなでしこジャパンは見てくれていたとして、自分たちのチームの試合をわざわざ大阪まで見にきてくれるか?というと、難しいですよね。
チームがとても強かったり、各々の選手の魅力があれば見にきてくれると思うんです。
自分たちとしても見に来て欲しいけれど、チームが弱かったらそうは言えない。
自分たちも頑張って結果を残すから、見に来てください、ならまだわかるんですが。
頑張った分だけスポンサーさんもたくさんついてくれたりもしますし、そこは自分たち自身がより頑張っていくところなのかなと。それでも選手時代は、難しいな、女子サッカーってなかなかみんな見に来てくれないな、と考えることはありましたよ。
男子と女子って差があるのかな。男子サッカーはみんな見にいくじゃないですか?って。
- 大串
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なるほど、環境自体がまず違うっていう部分も大きいですね。
- 丸山
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ただ今のなでしこジャパンは、みんなかわいくて顔面偏差値めちゃくちゃ高いので(笑)
あ、かわいい人がいるなって見てもらえるとかでも全然いいんですけどね。
それこそ、きっかけや入口はなんでもいいので。
- 大串
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華やかな方がより目線が集まりますからね、それもまた大事なことですよね。
- 徳田
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さて、お話は尽きないですが、そろそろお時間がきておりますので、このお話の続きはまた来週お伺いしたいと思います。
- 大串
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「僕たちの街づくり2.0R」
今回は「令和を記念して皇居マラソンに挑戦してみた」と題して
ゲストに丸山桂里奈さんをお迎え、お送りいたしました。
- 徳田
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丸山さん、ありがとうございました!
来週も引き続き、丸山さんと一緒にお送りします。
丸山さんがリハビリに励んでいたとき感じた思い、そこから感じた人間関係の重みなどをテーマにお話を伺います。
お楽しみに!